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秋期新アニメ(一覧、総評)

ペンギン

秋は来ましたか?

検索すると生成AIに作らせたであろうサイトが大量にヒットしそうなあれこれをハンドメイドで生成するという愚行、あるいは「リンク集」なる前世紀の遺物。新規アニメ化作品の一部については覚書があったりなかったり、続編については基本割愛。『 』書きの後の( )内の数字は追記がない場合は当該作品のTVアニメシリーズの放送開始年、または放送期間です。表記ブレ御容赦。記載内容の正確性無保証。敬称略。順次更新。

  • 悪食令嬢と狂血公爵/[新][なろう系]
    • https://www.tbs.co.jp/anime/akujiki/
    • なろう系(令嬢もの)。『ダンジョン飯』のライオスみたいな“悪食令嬢”が魔物狩りの名手として恐れられる“狂血公爵”に見初められる異世界グルメファンタジー。メインカップルの設定が上手い。それぞれの欠点がふたりにとってだけのチャームポイントとして機能している。十分にオリジナリティがあり、話も膨らませやすそうだ。ただ、日本の連載もののエンタメ、なろう系は特に、断捨離力に定評があり、最初あった面白そうな設定、ユニークなギミックをこんまりも驚く速さで断捨離していつもの展開になってしまうので油断はできない。そこときめいて書き始めたんちゃうんかい。制作は『B-PROJECT ~熱烈*ラブコール~』の旭プロダクションに武田睦海監督。旭プロ…あ(察し)
  • ある日、お姫様になってしまった件について【日本語吹替版】/[新][WEBTOON][韓国]
  • アニラとココラ/[新][オリジナル]
    • (公式サイトなし)
  • アルマちゃんは家族になりたい/[新][漫画]
  • 暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが/[新][なろう系]
  • 異世界かるてっと3/[続][企画物][スピンオフ]
  • うごく!ねこむかしばなし/[新][漫画][配信][YouTube]
    • https://neko-mukashibanashi.com/
    • 今期のかわいい枠(ねこ)。ゾンビ映画を猫まみれにしたのが『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』(2025)なら、こちらは昔話を猫まみれにしたのが本作。本当は怖い童話も、涙こぼれる悲しい昔話も全部まとめて猫が幸せにしてくれるよ! 本当、世界の紛争解決はトランプじゃなくて猫が行くべきだと思う。いや、そんな危ない場所に猫を連れて行くのはかわいそうだからやめよう。そうか、だから世界から戦争は無くならないんだ。監督は『はなかっぱ』(2010-)ののなかかずみ。制作は『ぴったんこ!ねこざかな』(2016,20)でのなか監督とタッグを組んだ『スタジオコメット』です。
  • ウマ娘 シンデレラグレイ (2期)/[続][漫画][スピンオフ]
  • 笑顔のたえない職場です。/[新][WEB漫画]
  • 顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君/[新][WEB漫画]
  • 科学×冒険サバイバル! (2期)/[続][児童書等]
  • かくりよの宿飯 弐/[続][ラノベ]
  • ×ガングリオン/[新][漫画]
    • https://ganglion-anime.com/
    • 吉本興業の子会社が発行したが、創刊号が全く売れずに、即、休刊が決定し、創刊から僅か3か月、全7号で休刊となった「コミックヨシモト」という誰も知らない漫画誌の看板作品が、単行本発売から16年間の時を経て遂にアニメ化。特撮ヒーローの敵役の世界征服を目論む悪の組織を会社になぞらえ、中間管理職(戦闘員)として働く中年男性を主人公にした特撮ヒーローもののメタコメディ。原作の白岩久弥は元・讀賣テレビのプロデューサーで、よしもと芸人の出演する番組の制作に長く携わっていた人物。特に松本人志が監督した映画4作品には制作総指揮として関わっている。企画は吉本興業。制作は2022年設立の新しい制作会社で、本作が初元請作品となる、studio maf。本作のプロデューサーも務めている同社代表取締役社長の深江暢は、CG畑出身でスタジオ4℃やCygamesPicturesなどでCG制作や制作進行などを担当、コミックスマート(漫画配信プラットフォーム「GANMA!」運営会社)のプロデューサーを経て独立し現職。監督は『海獣の子供』(映画,2019)、『サマータイムレンダ』(2022)の渡辺歩。座組がとても味わい深い。『鬼滅の刃』シリーズ(2019-)や『君の名は。』(映画,2016)の大成功にあやかりたい山師たちが、著名監督を担ぎ上げて、廃鉱山であわよくばひと儲けという目論見か。
  • 元祖!バンドリちゃん/[新][オリジナル][スピンオフ][配信][YouTube]
  • 機械じかけのマリー/[新][漫画]
  • キミと越えて恋になる/[新][WEB漫画]
  • キャッツ♥アイ/[新][漫画][懐古][配信][ディズニープラス]
  • ギルティホール/[新][漫画]
  • キングダム (6期)/[続][漫画]
  • グノーシア/[新][CSゲーム]
    • https://gnosia-anime.com/
    • 人狼とSFアドベンチャーを組み合わせてヒットした同名のインディーゲームが原作。と言っても、原作ゲームは“一人で出来る人狼”という、人狼やりたいぼっちの夢を叶えてくれる神ゲーで、当然、プレイする度にストーリーは変化し、プレイした人数分のストーリーが存在する中から、アニメではどう取捨選択するのか、またはしないのかが注目点。制作は『ロマンティック・キラー』(2021)、『フェルマーの料理』(2025)のドメリカと市川量也監督。シリーズ構成は『響け!ユーフォニアム』(2015-2024)の花田十輝。
  • 結婚指輪物語II/[続][漫画]
  • コアラ絵日記/[新][WEB漫画][配信][YouTube]
    • https://koalas-dialy.com/
    • 今期のかわいい枠(コアラ)。本家・オーストラリアが『うっかりペネロペ』(2006)なら日本にはコアラさんがいるよ! 制作は『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』(2024,25)のstudioMOTHERと加戸誉夫監督。え?「ちょっとイメージと違う…」? 確かに!でもショートアニメだし、監督ベテランだし、きっと大丈夫! まあ…加戸誉夫監督は熱血もの男児向けアニメのイメージですが。
  • 湖池屋SDGs劇場 サスとテナ (5期)/[続][企画物][配信][YouTube]
  • 最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか/[新][なろう系]
    • https://saihito-anime.com/
    • なろう系(追放ざまあ)。タイトルで『刑事コロンボ』(実写,1968-2003)みたいな頭脳派サスペンスを期待して原作見に行ったら武闘派バイオレンスだった。婚約破棄をきっかけに国の第一王子の後ろ盾を得て、拳で世直しを始める公爵令嬢の話。初手で舞踏会会場を血の海に沈める令嬢史上指折りの武闘派令嬢が主人公で、どこか昭和のヤンキー漫画を思い出させる懐かしくも新しいエクストリーム令嬢もの。制作は『かぎなど』(2021,22)の坂本一也監督とライデンフィルム。
  • さわらないで小手指くん/[新][WEB漫画]
  • SANDA/[新][漫画]
    • https://sanda.red/
    • 『BEASTARS』(2019-24)の板垣巴留が2021年から24年にかけて週刊少年チャンピオンで連載していた作品。超少子化社会を迎えた近未来を舞台にしたディストピアSFで、過度に保護・育成される子どもたちと、その子どもたちに夢と希望を与える、反社会的存在の“サンタクロース”と、自らがサンタの末裔と知った主人公の戦いを描く。制作は、湯浅政明の退社から数年の迷走を経て、『ダンダダン』(2024,25)ではアート色を薄め、王道エンタメスタイルに大きく舵を切り好評を博しているサイエンスSARU。監督は迷走期のサイエンスSARUを象徴する作品『ユーレイデコ』(2022)の霜山朋久。
  • 3年Z組銀八先生/[新][ラノベ][スピンオフ]
    • https://anime-gintama.com/ginpachi/
    • 2023年末で連載開始20周を迎えた『銀魂』(2006-18)のスピンオフ作品。原作キャラクター総出演のドタバタ学園コメディにアレンジする手法は、この手のスピンオフでは定番だが、それだけに手堅いやり方とも言え、クセの強い原作のキャラクター群を生かすにも最適だろう。制作は原作アニメシリーズ3期以降から制作のBN Picturesが引き続き制作する。監督は初監督の東田夏実。総監督は『プリパラ』シリーズの外、クロミのデビュー作としても知られる『おねがいマイメロディ』(2005)の森脇真琴が務める。
  • SI-VIS: The Sound of Heroes/[新][オリジナル]
    • https://si-vis.live/
    • 今期のオリジナル枠の一翼。『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』(2015)、『Engage Kiss』(2022)の丸戸史明シリーズ構成・脚本、『青の祓魔師(エクソシスト)』令和シリーズ(2024,25)の吉田大輔監督、スタジオヴォルン制作。戦隊もの×アイドルユニットもので、企画意図は『マクロス』シリーズ(1982-)や『シンフォギア』シリーズ(2012-)と近いか。何とニチアサ(フジ)枠。長年『ONE PIECE』が放送されていた枠で、前期までは『TO BE HERO X』(2025)という中国オリジナルアニメの日本語吹替版が放送されていたが、たぶん誰も観ていなかった。裏番組はテレ朝が特撮戦隊、テレ東が『プリティー』シリーズで、ワンピ時代は、女児はテレ東、男児はテレ朝だが、戦隊ものは比較的低年齢層向けで、戦隊ものを卒業した層がライダー(9時代前半)からワンピへ流れるという棲み分けがされていた。ワンピが深夜送りされた際、フジのニチアサ枠は廃止になると思っていたのだが(9時代前半の『逃走中 グレートミッション』も同時に最終回を迎えた)、『鬼太郎』シリーズの傑作選とオリジナル中華アニメという、カラーバー流してたほうがまだ観る人が多いんじゃないだろうかという組み合わせで命脈を繋いでいた。この秋からは9時台前半は伝統のデジモンアニメが復活、後半が本作となる。制作の座組はこの時間帯に生息する視聴者層と作品のカラーとどうも一致しないが、最近は配信でタイムシフト視聴する、一気見するという視聴スタイルが浸透しているので、作る側からしたら放送日時は割とどうでもいいのかもしれない。表の顔はアイドルで裏の顔はヒーローというコンセプト自体は割とよくあるが、アイドルグループが男女混成というのは珍しい。そんでこれを実写でやるのが戦隊ものという事ではあるのだが…それなら裏番組観た方が良くない?
  • JOCHUM (2期)/[続][企画物]
  • SHIBUYA♡HACHI (4期)/[続][玩具等]
  • しゃばけ/[新][一般小説]
    • https://shabake-official.com/
    • 日本ファンタジーノベル大賞・優秀賞、第1回吉川英治文庫賞受賞の同名小説シリーズが原作。畠中恵作品は『つくもがみ貸します』(2018)以来2作目のアニメ化となる。『つくもがみ~』と同じく、江戸を舞台にした妖怪ミステリーシリーズで、大店の若旦那と彼を陰日向になって支える妖怪たちの日々を描く。制作は『後宮の烏』(2022)のBN Pictures、監督は本作がTVシリーズ初監督の大川貴大。『アイカツ』シリーズ(2012-)の原画や『もののがたり』(2023)の副監督を務めた人。ちなみに、『つくもがみ貸します』ではメインキャラが皆、乙女ゲーさながらのさらふわヘアなのが気になってしょうがなかったが、本作では普通に髷を結っています。
  • 終末ツーリング/[新][漫画]
    • https://shumatsu-touring.jp/
    • ポストアポカリプスな『ゆるキャン△』(2018-24)。リンちゃんがビーノならこちらはセローだぜ。2020年連載開始の作品でセローを選ぶ作者のセンスがエモい。ヤマハのセローは2019年末に生産終了を発表、2020年にはファイナルエディションを発売し、35年の歴史に幕を閉じたトレイルバイクの名車。2020年から始まるポストアポカリプスアドベンチャー漫画の愛車にこれ以上相応しいバイクはないだろう。尚、本作の主人公のふたりが駆るのは見た感じ1995年前後に生産されていたセロー225WをベースにEV化したバイクのようです。制作は『こみっくがーるず』(2018)、『ダーウィンズゲーム』(2020)の徳本善信監督とNexus。細密に描かれた文明崩壊後の世界をアニメでどこまで再現できているかが注目ポイントのひとつ。
  • シルバニアファミリー フレアのワンダーデイズ/[続][玩具等]
  • ×信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!/[新][なろう系]
    • https://mugengacha.com/
    • 今期の宿命づけられたクソアニメシリーズ。エンタメ作品のタイトルを長くしたのはJ-POPとAV、どっちが先かみたいな研究はとりあえず棚上げして、作品タイトルの文字数と面白さには負の相関関係がある説(諸説あり)によれば、本作は過去イチのクソアニメになると予想される。と、いうか、長すぎタイトルはアニメにする時は普通、略称をメインタイトル(元タイトルをサブタイトル)にするか(『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』→『慎重勇者』(2019)、『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?』→『ぬきたし』(2025))、短縮するか(『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~』→『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』(2024)、『歴史に残る悪女になるぞ 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!』→『歴史に残る悪女になるぞ』(2024))するもんですけどね。ラ・テ欄とかどうなるんでしょうか。今から楽しみです。いつも情報取りに行っているアニメイトタイムズのサイトもフォームがまあまあ乱れていて味わい深いです。懸念点としては、制作会社がJ.C.STAFFであるという点で、作画が大コケする可能性は低い。残念。こういう作品こそ、MAHO FILMやEMTスクエアードといったクソアニメの名門に作ってもらいたいのですが。
  • SPY×FAMILY (3期)/[続][WEB漫画]
  • 素材採取家の異世界旅行記/[新][なろう系]
  • 太陽よりも眩しい星/[新][漫画]
  • 地球のラテール/[新][児童書等]
  • 父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。/[新][なろう系]
  • 千歳くんはラムネ瓶のなか/[新][ラノベ]
    • https://chiramune.com/
    • 「このライトノベルがすごい!」殿堂入り作品。ラノベでは非常に珍しい、主人公がゴリゴリのリア充で、スクールカーストのトップに君臨しているという設定のハーレムラブコメ。制作は『スパイ教室』(2022,23)、『Summer Pockets』(2025)のfeel.。監督は本作が初監督作の德野雄士。また、原作者自ら全話脚本を荒川稔久との共同制作という形で携わっている。原作人気、制作体制共に申し分なく、今期のラブコメ系作品では最注目作品。
  • ちゃんと吸えない吸血鬼ちゃん/[新][漫画]
  • ディズニー ツイステッドワンダーランド ザ アニメーション シーズン1/[新][スマホゲー][配信][ディズニープラス]
  • DIGIMON BEATBREAK/[新][玩具等]
  • デブとラブと過ちと!/[新][WEB漫画]
  • 転生悪女の黒歴史/[新][漫画]
    • https://tenkuro-pr.com/
    • なろう系っぽいタイトルだが歴とした漫画オリジナル作品。乙女系なろうのメタコメディで、悪役令嬢転生なろうのテンプレをベースに、自分が中学生時代に書いた所謂“黒歴史小説”の、しかも主人公の敵役として殺される悪役令嬢に転生してしまう、という話。自らの死亡フラグを回避するために行動した結果、物語が改変され、次々と移っていく死亡フラグを折るために主人公が奔走する羽目になる。監督は『まちカドまぞく』(2019,22)の桜井弘明。制作は『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』(2025)のスタジオディーン。
  • 東島丹三郎は仮面ライダーになりたい/[新][WEB漫画][スピンオフ]
    • https://tojima-rider.com/
    • 『エアマスター』(2003)、『ハチワンダイバー』(漫画,2006-14)の柴田ヨクサルが原作。仮面ライダーオタクをこじらせた大人たちがフィクションに侵食される世界で繰り広げる“本気のライダーごっこ”を描く本家公認スピンオフ作品。制作は令和版『るろうに剣心』シリーズ(2023-)、『まったく最近の探偵ときたら』(2025)のライデンフィルム、監督は『SHOW BY ROCK!!』(2016)の池添隆博。強烈なストップ&ゴーが特徴のヨクサル漫画の面白さをどうアニメ化するか注目。
  • 友達の妹が俺にだけウザい/[新][ラノベ]
  • 永久のユウグレ/[新][オリジナル]
    • https://towanoyuugure.com/
    • 今期のオリジナル枠の一翼。白P.A.。監督・シリーズ構成は平成『ジョジョ』シリーズ(2012-)の津田尚克。監督としての実績は十分だがシリーズ構成兼任でしかもオリジナル作品となると本作が初。コールドスリープから目覚めた男子高校生が目覚めた世界は、戦争によって人類文明社会は崩壊し、残された人類は“OWEL”と呼ばれる統一機構により管理されるディストピアだった…みたいな話。本編公開に先駆けて、主人公が何故コールドスリープされたのかの顛末が、0話としてYouTubeで公開されている。要約すると、超絶リア充DKが大好きな義姉を庇って死んだと思ったが気が付いたらポストアポカリプスな世界に素っ裸で放り出されたでござるの巻。作画はやる気のあるP.A.で、明快な色彩で情報量は多いがセンス良く纏めらている。ではその良作画で何を語ったかといえば、本題に入る前の、両片想いリア充の告白大☆成☆功って、中途半端なラブコメをストレートに1話丸々やるとか、導入が下手すぎる。日常が突如裏返る、みたいな作品ってよくあるのに、先行作品の研究とかしていないのかと疑問に感じる程だ。退屈な恋バナを丸々一話聞かされた後にいきなりちゃぶ台返しで「ねえ?びっくりした?したでしょ?」じゃないんだよ。これなら掴みを放棄していきなり本題に入る転生なろうの方が話が早くてマシ。例えば掴みが似ているオリジナル作品なら『まど☆マギ』(2011)とか、初回が凄く上手い。魔女と魔法少女が闘う世界観とまどかの日常を交互にカットバックで進めながら、ラストに例のキュゥべえの名セリフ /人◕ ‿‿ ◕人\{僕と契約して魔法少女になってよ) で終わる。考察したくなる伏線の張り方、飽きさせないテンポの良さ、次回への強烈な引き。本作の0話にはそれらが何もない。「初回じゃなくて0話だから」?「けど作画はいいし女の子も可愛いから」? 確かにそう。けど何のために作ったの。オリジナル作品をシリーズ構成から関わって監督できるなんで限られたチャンスに、これ作るのに恐らく1,000万円近く、このクオリティであれば超えているかもしれない経費をかけて。この監督は『ジョジョ』を通して何を学んだのだろうか。
  • とんでもスキルで異世界放浪メシ (2期)/[続][なろう系]
  • 嘆きの亡霊は引退したい (2期)/[続][なろう系]
  • 2200年ねこの国ニッポン/[新][漫画]
  • 忍者と極道/[新][WEB漫画]
  • 野原ひろし 昼メシの流儀/[新][漫画][スピンオフ]
    • https://www.shinchan-app.jp/hiroshi-hirumeshi-anime/
    • 『クレヨンしんちゃん』の父ちゃんこと、ひろしが『孤独のグルメ』(実写ドラマ,2012-)をパクッ…ハマったらこうなった感。背広を着たガタイの良い会社員が仕事の合間に空腹を覚え、ふらりと近場の飯屋に入る。モノローグで謎のこだわりやうんちくを披露したり店主とちょっとしたコミュニケーションを楽んだりとひとり飯を堪能する……当然、放送はテレ朝系なわけだが、実にテレ東に怒られそうな作品である。制作は『ヒューマンバグ大学』(2022)の西山司監督とDLE。DLEはFlashアニメのショート作品が強みの制作会社で、(番組表で見る限り)30分枠のアニメシリーズは、多分、本作が初。
  • 破産富豪 The Richest Man in GAME/[新][なろう系][中国]
  • 百姓貴族 (3期)/[続][漫画]
  • 藤本タツキ 17-26/[新][漫画][配信][Prime Video]
  • 不器用な先輩。/[新][漫画]
  • 不滅のあなたへ (3期)/[続][漫画]
  • Future Kid Takara/[新][企画物]
  • 陛下わたしを忘れてください/[新][WEBTOON]
  • ポーション、わが身を助ける/[新][なろう系]
  • 僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON/[続][漫画]
  • ポケモンコンシェルジュ (2期)/[続][オリジナル][スピンオフ][配信][Netflix]
    • (公式サイト無し)
  • マーベル・ゾンビーズ/[新][漫画][スピンオフ][配信][ディズニープラス]
    • (公式サイト無し)
  • 魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語 TV Edition/[編][オリジナル]
  • 味方が弱すぎて補助魔法に徹していた宮廷魔法師、追放されて最強を目指す/[新][なろう系]
  • MUZIK TIGER In the Forest (2期)/[続][玩具等][韓国]
  • ×無職の英雄 ~別にスキルなんか要らなかったんだが~/[新][なろう系]
    • https://mushoku-eiyu-anime.com/
    • 今期の宿命づけられたクソアニメシリーズ。本作がアニメ化されるという一報が界隈を割とざわつかせた作品。原作は、なろう系お馴染みのスキル鑑定イベントで“無職”と判定された主人公が実は最強だった…という、まあ、よくあるテンプレなろう系なのだが、そんなことはどうでも良く、作者の圧倒的な語彙力、文章力、煽り耐性の低さが相俟って、書籍化された際のAmazonレビュアーとのレスバトルが話題となり、“キンキンキン太郎”の名で、なろう系の名家・スマホ太郎(『異世界はスマートフォンとともに。』(2017))一門に名を連ねる迷作。その最大の特徴は“全てのアクション描写をオノマトペで済ませる”という、「いや、マジでお前、何で表現方法として小説選んだのよ?」と問い糺さざるを得ない文体で、アクションシーンでは、台詞と台詞の間を「キンキン(中略)キンキン!」「キンキン(中略)キンキン!」「キンッーーズバッ!」「キンッーーズバッ!」「ガンッ!」などと“擬音のみ”で繋いで話を進めるという読者の想像力に全てを委ねる斬新すぎる描写が話題となった。ちなみに、話数が進むと相対的にオノマトペの使用頻度は減るのだが、今度は「〈縮地〉」だの「〈剣舞〉」だの「〈インフィニットブレイク〉」だの固有名詞で片付けるのですが。そんな超期待作をアニメ化するのは、農民関連のスキルばっか上げたにも関わらず殆ど農業やらない『農民関連のスキルばっか上げてたら何故か強くなった。』(2022)、史上最バカな軍師もの『魔王軍最強の魔術師は人間だった』(2024)、あまりの低クオリティに原作の母国・アメリカ人読者に日本人がレイシスト呼ばわりされた『最強の王様、二度目の人生は何をする?』(2025)のstudio A-CAT。正に(悪)夢のコラボである。
  • モンスターストライク デッドバースリローデッド/[新][スマホゲー]
  • 野生のラスボスが現れた!/[新][なろう系]
  • 矢野くんの普通の日々/[新][WEB漫画]
  • らんま1/2 (2期)/[続][漫画][懐古]
  • 龍族II ーThe Mourner’s Eyesー【日本語吹替版】/[続][なろう系][中国]
  • ×Let’s Play クエストだらけのマイライフ/[新][WEBTOON][アメリカ]
    • https://letsplay-anime.com/
    • 北米向けのWEBTOON配信プラットフォーム「NAVER WEBTOON」で配信され、累計閲覧数9億回超という実績を引っ提げてアニメ化。この数字を鵜呑みにするのであれば『SPY×FAMILY』(2022-)クラスの人気作という事になる(2025年9月現在、「ジャンプ+」アプリ上で確認できる総閲覧数が約9億)。そんな世界的人気作をアニメ化するのは、『ポケットモンスター』シリーズ(1997-)では2016年中頃から監督を、令和新シリーズでは総監督を務めている冨安大貴監督で、同じくOLMの制作と、意外と本気でグローバル商品として売っていこうという算段なのかもしれない。まあ日本では一切話題にはならないでしょう。原作WEBTOONも英語の他、14か国語で読めるのに日本語ないもんでね。逆に何で日本で放送する必要があるのかがわからない。
  • 羅小黒(ロシャオヘイ)戦記【日本語吹替版】/[編][オリジナル][中国]
  • 私を喰べたい、ひとでなし/[新][漫画]
  • ○ワンダンス/[新][漫画]
    • https://wandance.asmik-ace.co.jp/
    • 吃音の男子高校生がストリートダンスと出会い変わっていく、青春スポ根ボーイミーツガールもの。作者自身の吃音症やダンス経験を生かした解像度の高い描写が魅力のひとつとなっている。監督・脚本は、昭和テイストの少女漫画風のキャラクターを前面に出したパッケージデザインが特徴的なコスメブランドと、同キャラを登場人物にした携帯小説を組み合わせた謎企画のアニメ化作品『美肌一族』(2008)の加藤道哉。制作は『葬送のフリーレン』(2023)マッドハウスと、前出『美肌一族』で特殊撮影・CG制作を担当したサイクロングラフィックス。ダンスプロデューサーに韓流ダンスユニットや元ジャニ等のミュージックビデオに出演するプロダンサーのRIEHATA。余談だが、彼女のWikipediaの項目のヘッダーの注釈に「大言壮語的な記述になっています。」という大変香ばしい注意書きがあって面白い。
  • ワンパンマン (3期)/[続][WEB漫画]

(全78作品※20251001現在)

※TV放送のある新規アニメ化作品について作品タイトル前の記号は期待度を表す。記号の意味は競馬新聞の予想印に準拠し「◎」は本命(今期の覇権候補筆頭)、「〇」は対抗(十分に覇権を狙える)、「▲」は単穴(覇権を狙える潜在能力はある)、「△」は連下(話題作になりそう)、「×」は注意(その他の注目作)。

参考サイト:https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=5947


総評

 全体的な傾向に変化はなく、各種漫画となろう系原作作品数は高止まりが続いている。一方で、オリジナル作品は非常に少なく、新作3作品の内、1作はウマ娘のスピンオフショートアニメなので、実質2作品に止まっている(尚、前期は極端に多く見えるが、4作品は『週刊ラノベアニメ』という、30分枠にオリジナルショートアニメ4作品をコンパチにして放送するという特殊な形態の為、実質10作品だが、それでも多かった)。配信限定作品は増加傾向にも見えるが、これはYouTube配信のショートアニメが増えている為で、実質的に商品・IPや企業イメージアップの広報活動としてインターネットプラットフォームの活用が拡大している流れの一環であり、(日本の)アニメがTVからネット配信へという流れは、漫画やラノベといった出版物に比べると思いの外鈍い。当面は“TVもネットも”という傾向が続きそうだ。

 放送・配信予定作品数は10月1日時点で78作品。過去1年間と比較した全体の傾向は、原作別で、漫画・WEB漫画・SNS漫画が40→22→23→42→40、なろう系が16→16→11→12→13、ラノベ・小説(なろう系除く)が4→3→5→3→6、オリジナル・企画物が13→9→9→18→10作品(内、新作が8→4→7→13→5)。続編が34→23→14→23→22作品(続編割合40→38→22→27→28%)、配信限定が10→5→4→7→9作品となった。配信プラットフォームの内訳は、Netflix1、ディズニープラス3、Prime Video1、YouTube4。

 史上稀に見る激戦クールとなった前期と比較すると、今期はおとなしいラインナップとなった。続編作品では『SPY×FAMILY Season3』が頭一つ抜けている印象で、その後ろを『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』、『ワンパンマン (3期)』が追いかける集英社作品一強のクールとなりそうだ。新規アニメ化作品でも『銀魂』シリーズ(2006-18)のスピンオフ作品の『3年Z組銀八先生』、配信限定作品だが、『チェンソーマン』(2022)、『ルックバック』(映画,2024)の藤本タツキの短編漫画をまとめてアニメ化するシリーズ『藤本タツキ 17-26』なども話題を集めそうで、やはり集英社系が強い。

 出自が変わった作品では韓国のWEBTOONを中国企業製作でアニメ化した作品を日本でローカライズした『ある日、お姫様になってしまった件について【日本語吹替版】』(原題:어느 날 공주가 되어버렸다(ある日、彼女はお姫様になった))、北米のWEBTOONプラットフォームで配信された作品が原作の『Let’s Play クエストだらけのマイライフ』(原題:Let’s Play)のワールドワイドWEBTOONの2作。何というか…いつまで鉱脈のない洞穴を掘り続けるのか…というか邦題がダサすぎる件について。その他、『ガングリオン』はかつて存在した、吉本興業肝煎で立ち上げられた漫画雑誌「コミックヨシモト」連載作で、コミックヨシモトは創刊から僅か3か月という、光の速さで廃刊になった上、当然、系列誌も無かった為、連載作品は基本的に全て打ち切りになったという、存在自体がお笑いのネタのような漫画誌で、その看板作品ともいえる本作が単行本発売から16年間の時を経て遂にアニメ化される。

 その他の注目作として、『BEASTARS』(2019-24)の板垣巴留の漫画が原作の、少子高齢化が極限まで進行した社会を生きる子どもと大人の世代間闘争を描くジュブナイルSF『SANDA』が、制作が『ダンダダン』(2024-25)のサイエンスSARU、監督が『ユーレイデコ』の霜山朋久。畠中恵原作、江戸を舞台にした妖怪ミステリーシリーズ作のアニメ化『しゃばけ』が、制作が『後宮の烏』(2022)のBN Pictures、監督が本作がTVシリーズ初監督作で『アイカツ』シリーズ(2012-)の原画や『もののがたり』(2023)の副監督を務めた大川貴大でアニメ化される。

 オリジナル作品では、P.A.WORKS制作、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(2012-)の津田尚克監督・シリーズ構成で贈る、隅から隅まで平成エロゲ感の漂うポストアポカリプスSFラブストーリー『永久(とわ)のユウグレ』。放送まで1ヵ月を切るも未だに制作の座組が殆ど伏せられたまま、PVすらなかった闇鍋アニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』。こちらは不安しかない。

 今期もあるよ!クs…上級者向け作品には、まずはTVシリーズアニメ史上最長タイトル(多分)、『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!』(記号含め79文字)。ちなみにざっくり独自調べで、歴代3位が『勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~』の46文字、2位が『外れスキル《木の実マスター》~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~』の49文字なので、本作が如何に圧倒的かがわかる。ただ、制作がJ.C.STAFFと、大手なのが悔やまれる。とはいえ、ちょいちょいあからさまに手を抜いた作品もあるので諦めるには早い(『魔法使いになれなかった女の子の話。』(2024)の話)。制作会社という視点では『無職の英雄~別にスキルなんか要らなかったんだが~』のstudio A-CATは『最強の王様、二度目の人生は何をする?』(2025)、『魔王軍最強の魔術師は人間だった』(2024)など、直近でも高い実績を上げている鉄板の制作会社。監督の矢花馨は本作が初監督作だが、キャラクターデザインの千葉孝幸と共に、同社制作の作品には欠かせないスタッフだ。当然、本作もPVからして既にヤバい。『素材採取家の異世界旅行記』は制作はタツノコプロだが、それとタッグを組むSynergySPは『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』(2025)で“ひっくり返った虫ダンス”を披露した制作会社。とりあえずPVの段階でテンポが悪いって感じるのどういうことだよ。

 非なろう系では『デブとラブと過ちと!』は制作が『出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした』(39文字)のMarvy Jackで、原作はコミックシーモア配信、深夜30分枠で実写ドラマ化もされた作品と、かなり信頼度が高い。『アルマちゃんは家族になりたい』はOA情報の公開が遅く、放送まで約ひと月とさし迫ったタイミングでの情報公開となった上に、制作のスタジオフラッドは好事家の間ではお馴染みの制作会社で、当然、PVも今期一、二を争うクオリティで期待に応えてくれそうだ。

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